世界の離乳食 ブラジル編 海外の赤ちゃんはどんなものを食べている?

育児・子育て

生後5ヶ月を迎えた娘が先日離乳食に挑戦しました(記事:「はじめての離乳食 1週目 我が子の反応は???」)。

市の栄養士さんや関連書籍によると、10倍粥から始め、人参やかぼちゃなどの野菜、りんごなどの果物、そして白身魚などのタンパク質を順番に提供していくのが日本では一般的なようです。
わたしたちも10倍粥から始め、今度は人参をあげようと考えています。

ところで、日本以外の国ではどんな食べ物を赤ちゃんにあげているのでしょうか?
今回はわたしたちが以前住んでいたブラジルの離乳食について調べてみました。

日本では離乳食としてあまり馴染みのない食材が使われていたり、離乳食に関する様々な考え方があることがわかりました。

ブラジルには「離乳食」という言葉は存在しない?

ブラジルの状況を調べるため、まずはポルトガル語で「離乳食」に該当する言葉を調べました。
しかし、完全に合致する言葉は見つかりませんでした。
代わりに見つけたのが以下の用語です。

  • 補完食 (alimentos complementares)
    母乳や育児用ミルクだけでは足りない栄養を補う食べ物
  • 固形食 (alimentos sólidos)
    形や固さのある食べ物
  • パピーニャ (papinha)
    おかゆやかぼちゃなどポタージュ状にしたもの

日本とブラジルにおける考え方

日本の厚生労働省によると、「離乳」は母乳や粉ミルクから幼児食へ移行する過程のことをいい、その移行期に食べるものを「離乳食」である、と定義しています。
また、離乳食の開始推奨時期を特に定めていません。
統計情報では生後5ヶ月からが多いと示しています(参考:厚生労働省)。

一方、ブラジルでは生後6ヶ月までは成長に必要な栄養は母乳から摂取することができるとし、それ以降は母乳だけでは足りないものを補う必要があり、栄養を補う食事を「補完食」と定義しています。
加えて、補完食はあくまで母乳を補うもので母乳の代わりではない、とも定義しています(参考:ブラジル保健省)。

ちなみに、世界保健機構(以降WHO)も同様の理由で「離乳食」ではなく「補完食」という用語を使用しています(参考:WHO)。

上の情報だけで判断すると、ブラジルはWHOに近い定義で、日本は今までの慣習に従う傾向が強いのかなと思いました。
また、「離乳食」というとできる限り早く母乳や粉ミルクから卒業した方がいいのかな、と考えてしまいますが、「補完食」の場合は、母乳も母乳以外の食事も両方大事というニュアンスがあるので、使う用語によって違いが出てくることがわかりました。

ブラジルの「補完食」(生後6~7ヶ月)

前置きが長くなってしまいました。
ここではブラジルの補完食、特に生後6~7ヶ月向けの食事を紹介します。

この時期はパピーニャ (papinha)と呼ばれる加熱し、ペースト状に調理したものをあげるのが一般的なようです。
以下の食材を使ってパピーニャを作るのが一般的です。

  • 果物:りんご、バナナ、パパイヤ、スイカ、パイナップル等
  • 穀類:米(おかゆ状にしたもの)、オートミール等
  • 野菜:ビーツ、人参、キャベツ、かぼちゃ、ブロッコリー、じゃがいも、キャッサバ等
  • タンパク質:牛肉、鶏肉、卵等
りんごのパピーニャ 写真:receitas
ビーツのパピーニャ 写真:Cantinho Infantil da Mamãe

日本ではおかゆを薄く伸ばした10倍粥から始めるのが一般的ですが、ブラジルでは特に決まっていないようです。
ブラジルだけあってビーツやキャッサバなど日本ではそこまで一般的ではない食材も補完食として提供しているようですね。

また、補完食のメニューとは関係ないですが、生後6ヶ月でも補完食を1日3回あげることが推奨されています。(参考:ブラジル保健省

まとめ

今回はブラジルの補完食、特に生後6、7ヶ月向けの補完食を紹介しました。
国が変われば主食も違うし、手に入る食材も異なります。
そのため、日本ではあまり使われていない食材もブラジルでは補完食として使われていることがわかりました。

ほかに気付いたこととして、日本ほど補完食のレシピに関して決まった考え方がないということです。
日本みたいにまずは10倍粥から始める、というようなものはなく、ブラジルでは朝は果物系、昼は野菜系、夜はまた果物系をあげたらいい、などざっくりしています。
これもあくまで1例で他にも様々な考え方もあるようです。

また調理法にしても、こしてなめらかにしすぎず、フォークで潰す程度にしたほうがいい、という考えもあるようです。
これは赤ちゃんが食べやすいようにというより、赤ちゃんが様々な食感に触れる機会を増やすことを目的にしています。

今まで日本語の書籍で離乳食について勉強していましたが、食べやすさばかりにわたしたちの注意がいっていたので、ブラジルの補完食について調べる中で赤ちゃんの発達という観点も考慮する必要があることに気付かされました。

これからも離乳食・補完食の勉強を続けていきたいと思います。
有用な情報があればみなさんに紹介していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました