お母さんが出産をする産科施設によってはさい帯血提供のお願いをされることがあります。
さい帯血とは、さい帯(へその緒)に含まれる血液のことで、出産時にのみ採取できる血液のことです。
白血病など血液の病気の治療に用いられ、日本赤十字社が運営するさい帯血バンクに提供することで、治療を必要としている方へ提供されます。
妻が出産する病院でもさい帯血提供のお願いをされました。
私(夫)の母親が血液のがんで亡くなったこともあり、治療が必要な方に少しでも協力が出来たらと思い、にゃむちゃんの出産時にさい帯血の提供を考えていました。
病院で提供の意志を伝えると、同意書をもらいました。
同意書はA3用紙を冊子のように折った12ページに及ぶもので、個人情報の取扱、提供の流れ、同意の取り消し方法等の説明があり、ふむふむと読んでいました。
あともう少しで終わりだというところで「さい帯血の提供をご遠慮いただく場合」という項目がありました。
特定の病気の既往歴の説明の後に「海外渡航歴など」の項目に「連続4週間以上滞在または出生地」とあり、対象の地域に南米の国々の記載があり、その中に妻の出身国の「コロンビア」の名前が。。。
妻は残念ながら「ご遠慮」しなくてはならないようです。
ちなみに、過去の特定期間にヨーロッパに一定期間滞在した場合も「ご遠慮」の対象とありました。
特に「南米」だけというわけではないようです。
ただし、なぜさい帯血を提供できないのか理由が示されていないため、妊婦健診に付き添った際に産科の先生に聞いてみました。
先生も詳細は把握していないようで、赤十字に直接確認をとってくれました。
赤十字によると、シャーガス病が原因とのことでした。
シャーガス病とは中南米に生息するサシガメという昆虫に刺されて感染する病気で、心臓や消化器系に影響が出ます。
私がブラジル滞在中にホストファミリーから、「夜は窓を開けて寝るな。シャーガス病の危険があるから」と言われたのを覚えています。
サシガメに刺されると数年後に心臓が肥大して大変になると言われました。
妻も私もおそらくサシガメに噛まれたことはないと思いますが、万が一のことを考えると赤十字の判断は正しいと思います。
何はともあれ出産時にさい帯血を公的バンクに提供することを検討されているようであれば、先にご自身がさい帯血を提供できるかどうか確認しておくことをおすすめします。
特定疾患の既往歴や滞在地域以外にも、多胎や妊娠週数が42週以上の場合も「ご遠慮」に該当します。
※厚生労働省提供の同意書に詳細の記載があります(「さい帯血提供についての説明」)。
さい帯血提供の意志があり、長い長い同意書を読み終わるタイミングで、提供が出来ないと言われると、時間的にも気持ち的にも残念ですものね。
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